第17回 初夏の章

2020年07月19日

お題:眩耀、琥珀、白縹、しゃくしゃく、空のグラス 


「うぅ、、眩しい、、、」


刺すような明るさにたたき起こされて目を開けば空のグラスが太陽に反射して俺の顔を照らしていた。

グラスの色は綺麗な琥珀色なのに、、、、


寝起きの瞳には酷なので暗がりを探して部屋を見遣る。

この散らかっている部屋には不釣り合いの紫陽花が目に入って頬が緩むのが自分でも分かる。

「この色は白縹っていうんだっけ、、、」

あなたのような色だと教えてくれた。やっぱり頬が緩む。

それにしても、、、やっぱり眩しい、眩しすぎる


「こういうのが眩耀っていうのかな」


またあの人を思い出して頬が緩む。恋と呼べるものでもないけど愛というには足りなくて似合わないことだけがハッキリ分かっているそんな関係だけどそれでも思い出すだけでだらしなく緩むのだ。


「緩みすぎ!」


まずは綺麗な部屋にしよう。

あの紫陽花にピッタリな、そんな素敵な部屋に。

思い浮かべただけで緩むあの人がいてもおかしくない空間に。


そしてこの部屋であの人としゃくしゃくした冷たいアイスを食べるんだ。

重い体に喝を入れてカーテンを開ける。


うん、今日も良い日になりそうだ。


スズキ 454


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